後世、戦国時代と云われた乱世を駆け抜けた五十四名の武人の事績や逸話を纏めてみたが、改めて、彼等の凄まじい生きざまに驚かされる。主家の興亡を担って戦場を馳駆した部将、己の力量を頼りに主君を何回も替えた武功の士らが大勢登場するが、良き主君に仕える機会に恵まれ幸運にも生涯を全う出来た者、運命に見離され遂には非業の死を遂げる者、後世に名を遺した者、歴史の波に押し流された者と明暗を分けた。本稿では、有名な人物についてはその知られざる事績や素顔、有名な人物を陰で支え補佐役に徹し、自身は無名の生涯を送った人物については、その隠れたる事績を訪ねてその人物像に迫り、その知られざる素顔を世に紹介出来ればと念願した。
(「終わりに」より)

【著者プロフィール】
 竹村 紘一(たけむら こういち)
 昭和十九年生 高知県出身、東京大学法学部卒。
 歴史作家、歴史研究家、歴史愛好家。
生来の歴史好きで60年近く歴史に親しみ明け暮れしていたが、保険会社退職後は本格的にこの世界に入る。
 洋の東西を問わず歴史上の人物や事件に強い興味を有するが、特に中国古代や本邦の大和、奈良、平安、鎌倉、南北朝、戦国、幕末の動乱の時代を生き抜いた人物の壮絶な生きざまに深い共感と感動を覚える。
 著書に『士魂よ永遠に…私撰武家百人一首』、『男ありて…戦国武人列伝』、『気になる戦国の男たち…続・戦国武人列伝』、『坂東武者』、『読史放談…戦国夜話』、『幕末風雲録』、『戦国女性流転絵巻』、『戦国越後の武将列伝』、『土佐の名門香宗我部氏と長宗我部氏の興亡録』、『楚漢群雄伝…項羽と劉邦を巡る人々』、『正史三国志将星伝』、『静寛院宮様御一代記』がある。
 全国歴史研究会本部運営委員、古代史懇話会会長、横浜歴史研究会副会長、神奈川歴史研究会理事、全国邪馬台国連合協議会理事・史友会特別顧問。