最近若い女性にイケメン武将として人気の高い長宗我部元親を主人公とし、滅亡してしまったが、土佐の長宗我部家を取り上げたい。
良く知られている様に、大坂の陣では豊臣側が敗者となった。
この豊臣側の武将として参戦した元親の後継者である四男盛親は、敗退後徳川方に捕えられ処刑された。
ここに長宗我部本家は滅亡したのである。
そして土佐は、賢妻を持つ武将として有名な山内一豊が新領主となった。
以後江戸時代を通じて山内家による治世下にあった。
滅亡した長宗我部家では、元親を含む代々の家長が、自らの家系が中国の秦の始皇帝の末裔であると公言していた。
始皇帝の末裔の一部が朝鮮の新羅を通って日本に渡り、秦氏として全国に散らばり、自らの名前にも秦という姓を入れていた。
真実か否かは別にして、由緒ある先祖を持つ元親が、そして後継者である盛親が何故、滅亡の道を歩むことになったのか、その理由を探ると元親の考え方や治世にその要因の幾つかが見えてくる。
それらは現代において一部の混乱する同族企業に見られる要因に酷似している。
現代の同族企業はビジネスの世界で戦っているが、当時の武将は生死を掛けて戦乱を生き抜こうとしていた。
社員と家族・親族を養う義務を持つ同族企業のトップである社長と、一方、家臣とその家族を養う宿命を持った戦国時代の領主と、その後継者が遭遇する課題が見えてくるように思う。
もし、元親や後継者の側近にコーチングの考え方を持つ人物が居たら、その要因を探り原因を取り除くことが出来たのではなかろうかと思う。
そうなったら、明治まで長宗我部本家は存続していたかも知れない。
だが、一方で後年、土佐に現れ幕末に活躍した坂本龍馬は出なかっただろう。
そして今回元親やその後継者及び家臣らをコーチング手法で指導し、滅亡の要因を排除するコーチの役目を、元親の弟の香宗我部親泰にお願いしようと思う。(まえがきより)

著者プロフィール
神戸 博(かんべ・ひろし)
1949年横浜市に生まれる。同志社大学工学部卒。
NEC日本電気入社、25年間に亘り無線通信システムの海外ビジネスに従事。その後日本エリクソン(現エリクソン・ジャパン)に転職、14年間勤務。在職中にコーチングを学び始め、(一財)生涯学習開発財団の認定コーチ資格を取得、社内コーチを始める。退職後の2009年、個人事業として「コーチHK」を起業。企業向けコーチング及び研修活動を実施中。一方、戦国及び江戸時代には若い頃より深い興味を持ち、多くの歴史小説を読破。2012年、名古屋市内に転居、執筆活動を始める。